自宅で日本刀を発見したら?
日本刀を所有する場合、保管方法等にも注意しなければなりません。特に突如として所有者となってしまった場合、例えば蔵から出てきた場合には、どう対処すればよいのか迷うかもしれません。ここからはどのように日本刀を保管すればよいのかを見ていきましょう。
もし自宅で身に覚えがない日本刀を発見したら、まずは銃砲刀剣類登録証が無いか確認してください。因みに鑑定書は登録証を兼ねませんので注意して下さい。登録証が見つかったら居住地の教育委員会で所定の手続きを済ませる必要があります。中核となる手続きは所有者変更です。一方、登録証が見つからない時は、焦らずに警察署に向かいます。そうすれば発見届が発行されます。発見届の発行で手続を終えてしまってはいけません。次に登録証の発行を依頼する必要があります。登録証の発行には専門家の鑑定が必要になりますから、時間を割いて登録審査会に出向かなければなりません。最終的には美術品、伝統工芸品であることが証明されれば晴れて登録証が発行されます。因みに一部の軍刀、海外製は所持が認められません。
さて、刀の所有者になると、刀の魅力を身近に感得できる環境となることから、その種の感性が育つ可能性があります。感性が育てば、人によっては刀匠を目指すこともあります。しかし刀匠は簡単になれる仕事ではありません。何年も修行した後、文化庁の研修を受講しなければならないからです。勘違いされる方もいらっしゃいますが、この場合の「受講」とは、単に講義を受けるのではありません。技能試験も含まれます。つまりその場で刀を作らなければならないのです。試験の判定は厳しいと言われており、少しでも未熟な部分があれば容赦なく不合格にされます。それだけ難しい道だといえるでしょう。