秋田藤四郎(あきたとうしろう)

  • 指定:重要文化財
  • 短刀 銘 吉光 (号:秋田藤四郎)
  • 長さ 7寸4分(22.42cm)
  • 反り 内反り

 

 

秋田藤四郎は粟田口吉光作の短刀で、豊臣秀吉に仕えた秋田城介(安藤実季・秋田実季同人)が所持したことに刀号が由来する。豊前国小倉藩:小笠原伯爵家に伝来し、吉光の代表作の一口として名高い。元禄十年極月三日付の本阿弥光忠代千五百貫の折紙が添えられている。

秋田氏の先祖は、古代齶田の浦(秋田市土崎)を根城にした蝦夷の族長恩荷といわれる。平安時代後期、源頼義にほろぼされた阿倍貞任は、この家系という。戦国時代の秋田実季(安藤実季・秋田城介同人)のとき、秋田を名乗った。実季は豊臣秀吉から秋田五万石を安堵され十九万石にのぼる。関ヶ原役で旗幟をはっきりさせず、常陸国宍戸藩五万石に移された。正保元年、二代:盛季のとき、さらに宍戸から磐城国三春藩に移され、弟季久に五千石を分与し、五万石となる。以後、230年在封した。

吉光の短刀の中では小振りであるが、さすがに体配に気品があり、地刃に特色をよく示している。すなわち小板目の美しい地肌、直刃の焼出した小互の目がつれており、ふくらの焼幅のせまい刃文、小丸帽子が返るなどをみるべきである。形状は、平造、三ツ棟、身幅細く、内反りとなる。鍛えは、小板目つみ、地沸つく。刃文は、直刃、ふくらやや細く、表鎺元に小互の目を焼き、砂流し、金筋かかる。帽子は、小丸、先やや掃きかける。彫物、表に梵字、素剣、裏に護摩箸がある。梵字の「カーン」は不動明王をあらわしている。茎は、生ぶ、先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔四、内三つ埋。

(参考文献:日本刀大百科事典より転載・引用・抜粋)
#秋田藤四郎

(法量)
長さ 7寸4分(22.42cm)
反り 内反り
元幅 6分2厘(1.88cm)
先幅 4寸2分(12.7cm)
元重ね 1分8厘(0.55cm)
先重ね 1分(0.32cm)
茎長さ 3寸2分5厘(9.85cm)
茎反り 1分弱(0.30cm)
全長 1尺7分(32.3cm)

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